2011年4月20日水曜日

東京電力のIRページから分かること


以下、特に断りがない限り2011年4月19日時点で東電のIRページから読み取れる情報を個人的な備忘のためにまとめました。(といいますか、IRページを「出来る限り端から端まで」流し読みして、気になったこと、印象に残った箇所をメモしました)

なので情報をどう受け止めるかはソースを参照するなりの上、各自ご判断ください。(東電のがソースなので、もちろん東電視点の情報でございます)

あくまで備忘として、出来る限り私見を挟まないようにしています(というつもりです)。

1. 決算発表のスケジュールが未定になっている
2011年4月28日(木)15時から予定されていた2011年3月期(2011年度)の決算発表予定が未定になっている。

2. 東京電力が株式を大量保有している企業
EDINETで通期の有価証券報告書の付属明細表を閲覧、グーグルで「東京電力 大株主」等すると、ざっくり確認できる。(東電のサイト上には4半期の有報しかない?)

3. 役員報酬
役員21名の総額で¥721,000,000、一人平均だと約3千5百万円ぐらい。(単純な数字ですけど、色々考えさせられるかもしれません...)

4. 平成22年度経営計画の概要
災害に強い原子力発電所の構築に向けた取り組み
...経営計画のトップにあって、福島にも言及されているのだけど...。

(いやあ正直、これを眺めていると自分の勤めている組織と東電の違いは何なのか、という気持ちになって頭がくらくらしてくる、というかいたたまれない気持ちになります)

5 事業などのリスク
パッと原子力関連のリスクで目につくものとして、
(2)原子力設備利用率
(3)原子燃料サイクル
と2つあります。(原子力発電所の不稼働による発電コストの上昇、通常運用における使用済燃料の再処理などに関するコスト中心に記述されているようです。)

今回のような原子力発電所の大規模な事故に関するリスクは
(4)安全確保、品質管理、環境汚染防止
に記載されています。(が、かなりあっさりとした表現になっています。今回のような本格的な事故が起こっていない状況で他にどんな記述ができるか、とは思います。)

6. 大株主(上位10名)
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
第一生命保険株式会社
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
日本生命保険相互株式会社
東京都
株式会社三井住友銀行
株式会社みずほコーポレート銀行
東京電力従業員持株会
SSBT OD05 OMNIBUS ACCOUNT-TREATY CLIENTS
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口4)

「(信託口)」となっている部分の実際の株主は年金や投信だったりします。(お金の出所は言うまでもないですね。あらためて確認するまでもなく、「固い運用」してるとこばかりですね。)

SSBT OD05 OMNIBUS ACCOUNT-TREATY CLIENTSは最近日本企業の大株主として急に登場して話題になってる中国系のファンドのようです。(参考:http://www.asahi.com/english/TKY201008220159.html
ちなみに2010年度のアニュアルレポートには名前がなく、三菱UFJ銀行が10位に記載されていたようです。
なお東電株全体の株主構成は「8.数表でみる東京電力」などに資料があります。

7. 長期投資
連結貸借対照表上の527,081百万円、すなわち5,000億円ちょっと。そのうち約2,300億円(235,628百万円)が株式、債券など。

8. 数表でみる東京電力
国内から国外の電力事情、東電の技術から財務までとりあえずコレをみれば一端の東電アナリスト、を名乗れるかもしれない力作にみえます。

P51. 広域運営のための連携設備の状況(東京・中部電力間の東西変電設備など)
P66. 原子力(福島、柏崎の各号機のスペックなど)
P70. トラブル発生件数(福島、柏崎の平成12年度以降)
P72. 放射線に関する単位(キュリーなど旧単位との換算も)
P73. 放射線の量と人体への影響
P131. 再生可能エネルギー(太陽、風力)
P149. オール電化の普及状況
P163. 主要国のエネルギー輸入依存度
P168. 発電コスト

9. サステナビリティレポート
P72. 原子燃料サイクル(他のところにもあるけど、何となくカラーで見やすい、と私は思いました...。本資料全体に言えますが、他のところにある情報を環境視点で分かりやすくまとめた感じ)
P79. 会社概要(2009年度の電気販売量は日本全体の3分の1、イタリア一国と同程度とのこと)

10. 会社案内
P5. エネルギーを取り巻く環境(「セキュリティ」という言葉の意味を色々考えさせられるかもしれません)

もし英語で情報が必要であれば、以下のリンクからアニュアルレポート、数表でみる東京電力など大抵の資料へアクセスすることができます。

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